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※※作中の素画はこの時点で制作されていないものです※※

19世紀初頭、イギリスでは"ダンディ"が大ブームでした。
イメージしやすい言葉ですが、改めて説明すれば洒落者といった意味でしょうか。
教養があり、洗礼された身のこなし、当時の流行服をスマートに着こなす紳士。
当時の青年達の憧れでした。
同じ頃、フランスはイギリスブームでした。
当然フランスにも"ダンディ"ブームが起こりますが、イギリスのダンディと少し定義が違ったようで、当時のフランスでは、 「イギリス趣味を好んだ洒落者」のことをダンディと呼んだようです。

ブームに敏感なフランス青年たちもこぞってダンディになろうと、イギリス風の服を着てカフェに集い、イギリス流の競馬や乗馬に興じました。
イギリスの文化を輸入したとはいえ、全てがイギリス流に染まったわけではなく、 小食がマナーであるイギリスダンディと比べてフランスダンディは大食漢で、イギリスダンディはシンプルを好みますが、そもそも絢爛豪華趣味なフランス人であるフランスダンディは 服装も機能性を第一としたイギリス流から華やかなスタイル重視のフランス流に進化させていったりと、 お国の違いが少しずつ出ていました。

多感な青年期のドラクロワもそういったダンディブームに影響され、 乗馬やシェイクスピアやバイロンなどのイギリス文学を嗜み、そして英語を勉強していました。
シェイクスピアやバイロンは文学を好むドラクロワの作品に、大きな影響を与えました。

シェイクスピア作品「ハムレット」に扮したドラクロワの自画像(諸説あり)
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