3話
1817年ドラクロワは姉アンリエットの嫁ぎ先ベルニナック家に奉公しているイギリス人メイドのエリザベス・ソルターに
思いを寄せ、彼女をモデルに愛らしい肖像画を描きました。
そして、抑えきれない恋心に悩まされたドラクロワは彼女に気持ちを伝える決心をし、ラブレターをしたためます。
ラブレターには「甘いくちづけで冷やされて以来、僕の唇は乾いています」と、不慣れな拙い英語で記されていました。
しかし、このラブレターはエリザベスの心に響くことはありませんでした。
この小さな恋愛劇にはまだ続きがあり、ドラクロワの恋愛観をも変えてしまう事件となります。